おすすめの本


4月に2020年本屋大賞が発表されました。本屋大賞とは書店で働く店員の投票で決定するものです。過去一年間に、店員自身が読んで面白かった、ぜひお客にも薦めたい、自分の店で売りたいと思ったものを選び投票します。
 大賞には凪良ゆう著「流浪の月」が選ばれました。大賞から10位までの作品と翻訳小説部門の3作品、および発掘部門の中から選ばれた超発掘本1作品をご紹介いたします。発掘部門とはジャンルを問わず、2018年11月30日以前に刊行された作品のなかで、時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本をエントリー書店員が一人1冊選び、さらにその中から、これは!と共感した1冊を実行委員会が選出し、「超発掘本!」として発表されました。貸出を希望される方は図書館までお問い合わせください。

 

1.流浪の月

凪良 ゆう

愛ではない。けれどそばにいたい−。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描いた長編小説。

2.ライオンのおやつ

小川 糸

若くして余命を告げられた雫は、残りの日々を瀬戸内の島のホスピスで過ごすことを決めた。穏やかな景色の中、本当にしたかったことを考える雫。ホスピスでは毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があって…。

3.線は、僕を描く

砥上 裕將

両親を事故で失い、喪失感の中にあった大学生の霜介は、バイト先で水墨画の巨匠・篠田湖山と出逢った。なぜか湖山に気に入られた彼はその場で内弟子にされてしまうが、湖山の孫・千瑛は、それに反発し…。

4.ノースライト

横山 秀夫

一級建築士の青瀬が設計した新築の家。しかし、Y邸に越してきたはずの家族の姿はなく、一脚の「タウトの椅子」だけが浅間山を望むように残されていた。Y邸で何が起きたのか? 一家の行方は…。『旅』連載を単行本化。

5.熱源

川越 宗一

樺太で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフは故郷を奪われたポーランド人や、若き日の金田一京助と出会い、自らの生きる意味を見出し…。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。アイヌの闘いと冒険を描く傑作巨篇。

6.medium 霊媒探偵城塚翡翠 

相沢 沙呼

霊能力を持つ女性・城塚翡翠と出逢った推理作家は、論理と彼女の霊視を組み合わせ、事件に立ち向かう。一方、巷では連続殺人鬼が人々を脅かしていた。

7.夏物語

川上 未映子

パートナーなしの妊娠・出産を目指す夏子。彼女のまえに、精子提供で生まれ「父の顔」を知らない潤が現れ…。芥川賞受賞作「乳と卵」の登場人物たちが新たに織りなす物語。『文学界』掲載を単行本化。

8.ムゲンのi

知念 実希人

眠りから醒めない謎の病気・イレスの患者を抱えた愛衣は、魂の救済〈マブイグミ〉をするしかないと知る。愛衣は霊能力者の祖母から受け継いだ力で、マブイグミに挑む−。Web文芸マガジン『COLORFUL』連載を書籍化。

9.店長がバカすぎて

早見 和真

谷原京子、契約社員、時給998円。店長が、小説家が、弊社の社長が、営業がバカすぎて「マジ辞めてやる!」 でも、でも…。本を愛する書店員の物語。

10.むかしむかしあるところに、死体がありました。

青柳 碧人

お姫様を鬼から守った一寸法師。打ち出の小槌で大きくなった彼は、ある計画を心に秘めていて…。「一寸法師の不在証明」をはじめ、日本の昔ばなしを、密室などミステリのテーマで読み解く作品集。『小説推理』掲載を書籍化。


 (翻訳小説部門)

1.アーモンド

ソン・ウォンビョン著 矢島 暁子訳

アーモンド(扁桃体)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができないユンジェ。彼の前にもうひとりの“怪物”が現れて…。他人の感情がわからない少年と、物心もつかないうちに親とはぐれた不良少年、2人の成長物語。

2.掃除婦のための手引書

ルシア・ベルリン著 岸本 佐知子訳

多くの作家に影響を与えながらも、生前は一部にその名を知られるのみだったルシア・ベルリン。逝去から10年を経て出版され、ベストセラーとなった短篇集から、24篇をよりすぐって収録する。

3.三体

劉 慈欣著 大森 望、光吉 さくら、ワン チャイ訳

物理学者の父を文化大革命で亡くし、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔。ある日、彼女は謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが極秘裏に進行していて…。


 (発掘部門)「超発掘本!」

1.無理難題が多すぎる

土屋 賢二著

ぼっち席、幸福に目もくれない生き方、善人になる方法、矛盾との闘い方…。ツチヤ教授のまわりには、一筋縄ではいかない無理難題がいっぱい! 日々生きるのが気楽になれるユーモア・エッセイ集。『週刊文春』連載を文庫化。

 


 

 

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