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「 イヤミス 」という言葉を聞かれたことがありますか。イヤミスとは、ミステリー小説の一種で、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のことをいいます。殺人などの事件が起こっても、最後には事件解決! 読者がスッキリと満足感を得るのが今までのミステリー小説に多かった傾向でした。しかしイヤミス小説は、事件のことだけではない人間の奥に潜む心理などを描写し、見たくないと思いながらも読み進めてしまう、嫌な汗がたっぷり出るような後味の悪い小説のことを指します。今回は、イヤミス作家5名とその代表作をご紹介します。いずれもサピエ図書館に点字・デイジー図書があります。貸し出し希望の方は点字図書館までご連絡ください。




1.「いやミス」の女王、湊かなえ著「告白」 「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まります。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていきます。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー!



2.真梨幸子著「みんな邪魔」 少女漫画『青い瞳のジャンヌ』を愛する“青い六人会”。平和な中年女性たちの会がある日豹変! 飛び交う嘘、姑息な罠、殺人鬼より怖い平凡な女たちの暴走ミステリ。



3.沼田まほかる著「ユリゴコロ」亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。これは、誰が書いたものなのか。亮介は真相を突き止めようとするのだが…。衝撃の恋愛ミステリー。



4.米澤穂信著「満願」 6編収録されていますが、どれもダークな物語ばかりで、どの結末も思わず背筋がゾクッとしてしまいます。「このミステリーがすごい」など、史上初の3冠受賞でも話題となりました。人間の闇を丁寧に描いており、読み終えた時にはなんともやるせない気持ちにさせられます。



5.根本起男著「さんくすないと」 抽選で選ばれた12人の女性が深夜のデパ地下に集まり、究極のグルメの数々を思い思いに堪能できる、久光デパートの「サンクスナイト」。本能のままに食欲を満たす女性たちに呼びかける館内放送、それは恐怖の始まりだった…。極上のブラックユーモアミステリー」と評される作品です。

 


 

 

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