おすすめの本


4月に2019年本屋大賞が発表されました。本屋大賞とは書店で働く店員の投票で決定するものです。過去一年間に、店員自身が読んで面白かった、ぜひお客にも薦めたい、自分の店で売りたいと思ったものを選び投票します。大賞には瀬尾まいこ著「そして、バトンは渡された」が選ばれました。大賞から10位までの作品と翻訳小説部門の3作品をご紹介いたします。貸出を希望される方は図書館までお問い合わせください。 

 

1.そして、バトンは渡された

瀬尾 まいこ

血の繋がらない親の間をリレーされ、4回も名字が変わった森宮優子、17歳。父親が3人、母親が2人。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた―。身近な人が愛おしくなる、優しい物語。

2.ひと

小野寺 文宜

母が急死し、たった1人になった20歳の柏木聖輔。空腹に負けて吸い寄せられた商店街の惣菜屋で、聖輔は買おうとしていた最後に残った50円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲った。それが運命を変えるとも知らずに…。

3.ベルリンは晴れているか

深緑 野分

1945年7月、4カ国統治下のベルリン。米国の兵員食堂で働くドイツ人少女アウグステは、恩人の男の不審な死を知り、彼の甥に訃報を伝えるため旅立つ。しかし、なぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり…。歴史ミステリ。

4.熱帯

森見 登美彦

沈黙読書会で見かけた奇妙な本「熱帯」。それは、どうしても「読み終えられない本」だった―。結末を求めて悶えるメンバーが集結し、世紀の謎に挑む! ウェブ文芸誌『マトグロッソ』掲載に書き下ろしを加えて書籍化。

5.ある男

平野 啓一郎

里枝には、2歳の次男を脳腫瘍で失って、夫と別れた過去があった。長男を引き取り、14年ぶりに故郷に戻ったあと、大祐と再婚するが、大祐は事故で命を落とす。さらに、衝撃の事実が…。『文学界』掲載を単行本化。

6.さざなみのよる

木皿 泉

小国ナスミ、享年43歳。息をひきとった瞬間から、その死は湖に落ちたひと雫の波紋のように、家族や知人へと広がっていき…。命のまばゆいきらめきを描いた感動と祝福の物語。5年ぶりの小説、第2作。

7.愛なき世界

三浦 しをん

洋食屋の見習い・藤丸陽太が恋をした本村紗英は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!? 『読売新聞』連載を加筆・修正し単行本化。

8.ひとつむぎの手

知念 実希人

大学病院で過酷な勤務に耐える平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に3人の研修医の指導を指示される。さらに、赤石が論文データを捏造したと告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられ…。

9.火のないところに煙は

芹沢 央

「神楽坂を舞台にした怪談」を依頼された作家の「私」は、かつての凄惨な体験を振り返り、事件を小説として発表することで情報を集めようとするが…。『小説新潮』連載に書き下ろしを加えて単行本化。

10.フーガはユーガ

伊坂 幸太郎

仙台市内のファミレスで、男は語り出した。双子の弟のこと、子供時代のこと、そして、彼ら兄弟の特別な「力」のことを…。不思議で切ない、長編小説。



(翻訳小説部門)

1.カササギ殺人事件 (上)(下)

アンソニー・ホロヴィッツ著 山田 蘭訳

1955年7月、パイ屋敷の家政婦が階段の下で亡くなっていた。掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは…。余命僅かな名探偵アティカス・ピュントの推理は?
名探偵アティカス・ピュントの最新作の原稿を結末部分まで読んだ編集者は、あまりのことに激怒する。さらに予想もしない事態が編集者を待っていて…。アガサ・クリスティへの愛に満ちたオマージュ・ミステリ。

2.きげんのいいリス

トーン・テレヘン著 長山 さき訳

ブナの樹のうえに暮らす、きげんのいいリス。頭の重みに耐えかねているアリ。誕生日がだいなしになって黒いなみだを流すイカ…。不器用で大まじめ、悩める動物たちが語りだす。「ハリネズミの願い」の原点となる作品を完訳。

3.元年春之祭

陸 秋槎著 稲村 文吾訳

2000年以上前の前漢時代の中国。山中の名家を訪ねてきた少女は、かつてこの地で奇妙な殺人事件が起きたことを聞き、その推理を試みる。そこに新たな事件が…。気鋭の中国人作家による本格ミステリ。

 


 

 

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