おすすめの本

今年は明治維新150周年にあたります。佐賀では記念事業として「肥前さが幕末維新博覧会」など、さまざまなイベントが行われています。先月発売された植松三十里さんの小説「かちがらす」の新聞連載なども、関連事業の一環です。そこで今回は、明治維新に関する書籍をご紹介したいと思います。たくさんの作品がありますので、関連書籍のなかでも比較的最近書かれた本を中心にリストアップしてみました。さまざまな角度から、改めて明治維新を読み直してみてはいかがでしょうか。

1.維新の羆撃ち

経塚 丸雄

時は幕末。箱館戦争で敗れ、傷を負いつつも蝦夷の深い森へ逃げ延びた八郎太。だが、そこには──全てを失った男が、厳しい未開の大地で羆撃ちとなり、人として再生していく本格時代小説。

2.大奥の女たちの明治維新  ―幕臣、豪商、大名 敗者のその後―

安藤 優一郎

幕府が瓦解したあと、徳川に連なる女性たちや、敗者の側に追いやられた者たちは、どう生き抜いたのか? 彼女たちの維新後の姿に光を当て、教科書では取り上げられなかった、もう一つの明治維新史に迫る。

3.経済で読み解く明治維新

上念 司

江戸時代の日本は世界最強の「資本主義」の国だった。江戸幕府の経済政策から百姓のビジネスモデルまで、明治維新前史を“経済的視点”で描く。

4.犬たちの明治維新 ―ポチの誕生―

仁科 邦男

明治時代、なぜ犬は「ポチ」、猫は「タマ」と相場が決まったか? ペリー来航、横浜開港、文明開化、西南戦争…。史料にちらちら顔を見せる犬関連の記述を丹念に拾い集め、「犬にとっての幕末明治」をいきいきと描く。

5.老いと病でみる幕末維新

家近 良樹

日本史上もっとも波瀾に満ちた幕末維新の日々を、人びとはどう生き、何を考え行動し、老い、病み、死んでいったのか。権力者から無名の庄屋まで、その人生を老いと病の視点から捉え直し、存在の奥底に迫る歴史学の新たな試み。

6.明治維新と幕臣

門松 秀樹

明治維新が成し遂げられたとき、本当に江戸幕府は無為無策で、すぐれた人材を欠いていたのだろうか。行政実務に精通し、政権交代後も継続登用された中・下級の旧幕臣たちに光を当て、明治維新への新たな視座を提供する。

7.通訳たちの幕末維新

木村 直樹

もはやオランダ語だけでは通用しない。幕末のオランダ通詞たちは苦悩しながら日本中へ散って行った。欧米諸国との外交交渉、英語など新しい言語への対応や維新後のありよう、激動の時代を語学力で生き抜いた姿を追う。

8.幕末維新の暗号 ―群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたのか― 上

加治 将一

龍馬、西郷、高杉、岩倉、大久保、中岡、伊藤、桂、勝―歴史作家・望月真司のもとに届いた一枚の古写真。中央に座る外国人の名から「フルベッキ写真」と呼ばれ、幕末の志士たちが勢ぞろいするといわれるそれは、荒唐無稽と片づけられてきた。だが仔細に検証すると、被写体と人物が次々に合致していく。この古写真はなぜ撮影され、そして歴史の彼方に葬り去られたのか。

9.幕末維新の暗号 ―群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたのか― 下

加治 将一

幕末の志士がそろった「フルベッキ写真」。その真贋を求め、各地を巡る望月真司は奈良県吉野で南北朝の謎、佐賀で「佐賀の乱」に隠されたものに気づく。だがその時、彼の邪魔をしようとする集団の姿が!? それでも望月は調査を進め、長崎、鹿児島、山口県柳井へと赴く。そして辿り着く明治政府、天皇家の隠された驚愕の事実とは。明治維新の舞台裏を暴く、幕末ミステリー。

10.清水次郎長 ―幕末維新と博徒の世界―

高橋 敏

「海道一の親分」と謳われた清水次郎長を措いて幕末維新のアウトローを語るに他はない。歴史学の手法を駆使し、血で血を洗う並み居る強敵たちとの死闘を勝ち抜き、時代の風を読んでしぶとく生き残った稀代の博徒の実像に迫る。

 


 

 

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