もうすぐできる本

最近話題の本をご紹介します。まだサピエ図書館で完成されていないものもありますが、すべて製作中なので、楽しみにしていて下さい。



1.162回芥川賞 古川真人著「背高泡立草」・・・ 20代の女性が母親や親戚ととも に長崎県の島にある母方の実家に向かう場面から物語が始まります。誰も使わな くなった納屋の草刈りなどをする様子を方言を交えて描く中に、戦前や江戸時代 を舞台にした別の物語が挿入され、島や家をめぐる歴史や記憶がひもとかれてい きます。サピエ図書館では現在製作中です。

 

2.第162回直木賞 川越宗一著「熱源」明治時代から第2次世界大戦にかけての樺太、 今のサハリンを舞台に、日本の同化政策によって故郷を追われたアイヌの男性と、 囚人として送られてきたポーランド人の民族学者が、戦争に巻き込まれながらも 自分が守るべきものを模索しながら力強く生き抜く姿を史実を踏まえて描いた作 品です。サピエ図書館では現在製作中です。
3.2019年本屋大賞 ノンフィクション大賞 ブレディみかこ著「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」・・・ 優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした「元・底辺中学校」だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり……。何が正しいのか。正しければ何でもいいのか。生きていくうえで本当に大切なことは何か。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子と パンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。第73回毎日出版文化賞特別賞、第2回ノンフィクション本大賞受賞。デイジー図書のみ完成。

 

4.原田マハ著「風神雷神」・・・「風神雷神図屏風」で知られる絵師の俵屋宗達を主人公にした本です。俵屋宗達は、江戸時代の初期に活躍した絵師ですが、生没年不明。経歴にも謎が多い。作者はそうした隙間を最大限に利用し、奔放なストーリーを作り上げた。なんと織田信長に見いだされた天才少年絵師の宗達が、信長の命により絵をローマ教皇に届けるため、天正遣欧使節の一員になるのである。とんでもないアイデアだが、内容は重厚。サピエ図書館では現在製作中です。

 

5.畠中恵著「わが殿」・・・ 江戸後期から幕末にかけての越前・大野藩が舞台。多額の借金に苦しむ、四万石の小藩。しかし藩主の土井利忠は聡明である。小藩ゆえに身動きが取れないが、さりとて藩は捨てられぬ。ならば自分のいる場所を大きくすれば、自由に動けるのではないか。現代の日本人も見習うべき生き方を、作者は主人公を通じて鮮やかに描ききった。サピエ図書館では現在製作中です。

 

6.横山三郎著「トヨトミの逆襲」・・・ 物語の舞台は、愛知県に本社を置く世界的自動車会社「トヨトミ」。ほとんどの人が、実在のあの大企業を思い浮かべるだろう。かなりの部分が実話なのではないかと話題になった2016年刊「トヨトミの野望」に続くシリーズ第2作。さまざまな人の視点で、組織人たちの欲望と誇りの両面を描く。「トヨトミの逆襲」はサピエ図書館では現在製作中ですが、「トヨトミの野望」はサピエ図書館に点字・デイジー図書が完成しています。




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