ちょこっとひとこと

高井 利恵

点字図書館に勤めて1年がたちました。

利用者の皆さま、ボランティアの皆さま、そして関係者の皆さまには、この一年ご迷惑をたくさんおかけしました。折々に助けていただき、ありがとうございました。ひとまず、1年間お世話になりました。

さて、この1年を振り返っての感想です。

今、私に任されている図書の貸出しの仕事には随分と慣れてきました。

しかし、正直、私はこの点字図書館に就職して、1年後も図書館でこうして無事に働きつづけられているとは思っていませんでした。というのも、勤務初日にして洗礼を受けたといいますか、薄々と点字図書館で働くことへの大変さを悟ってしまったからです。よくあることですが、想っていたのと実際入ってやるのとではいろいろと違いがあった、ということで、私はその仕事をやる前からすでに雰囲気でけおされていたのです。

研修にもこの1年行かせてもらってとてもいい経験ができましたが、講義のハイレベルさや周りの情報提供施設の職員のレベルの高さに圧倒されてばかりで、ついていくのに必死。ついていこうとやってはいるのですが、何しろはじめが難しすぎたみたいでわからないので、ますます分からないことが増えて見事に撃沈されました。

また、自分自身について話せば、自分は話が上手なタイプではないのでボランティアさんとのコミュニケーションや利用者さんとのコミュニケーション、言ってしまえば狭い小さなこの職場の職員とのコミュニケーションさえもうまくとれるかそのあたりとても心配でした。ネガティブなことを書きすぎたので、これから気持ちを上向きにしていきますが、点字図書館のいいところももちろん見つけられました。一見とっつきにくい私ですが、講習会や図書館の通路でバッタリ出会えば他の講習生と分け隔てなく様子を見に来て一言声をかけて下さる気さくで優しいボランティアさんに会えたこと、そして、ユーモアな会話で元気づけてくれる利用者さん、「運転気を付けて」からはじまり、「頑張って」といろいろ気さくに自分とも話してくださる優しい利用者さんに出会えたことに感謝です。

ここで働いて、視覚障害のある方への見方も変わり、今までは障害のある人を、健常者と違った特別なくくりで無意識に見ていたところもありましたが、話してみる。そして接してみることで、いろいろそういう風にくくることがなくなり見方がいい方向に変わりました。障害と上手くつきあいながら前向きに楽しく生きて行かれている利用者さんは素敵だなと思いました。

こんな私ですが、4月からもまた勤務できることになりました。よろしくお願いします。

 



 

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