出会いが出会いを呼ぶ

 

佐賀県立点字図書館
館長  野口 幸男

 

 

 今年の梅雨は空梅雨かなと思っていたところ、台風に豪雨に土砂災害に見舞われた7月、悲痛な思いで空を眺めています。深い悲しみが、ほんの少しでも癒える日が訪れることを祈っております。
利用者及びボランティア、ならびに点字図書館を支えていただいております皆さまに、心から感謝申し上げます。
6月上旬、横浜市で開催された視覚障害リハビリテーション研究発表大会に参加させてもらいました。
東京都の日本点字図書館での見学から、第1日目が始まりました。グループに分かれて館内を見学していて、見覚えのあるような顔と出会いました。10年ほど前まで佐賀市におられたAさんで、今は北九州で働きながら視覚障害者の団体で活動を続けているとのことでした。7月に開催される福祉機器展のことなど、あれこれ情報をいただきました。2日目以降の研究発表会は、横浜市に移りました。会場は、2月に点字図書館の見学に来られた元木先生の勤務先である鶴見大学で、「情報バリアフリー推進会」の活動をポスターセッションで紹介しておられた先生と再会することが出来ました。視覚障害リハという枠組みの中で、様々な研究や活動の報告がなされ、今後の課題や方向性が示されるなど、有意義な時を過ごすことが出来ました。
 同じく6月の上旬、点字図書館では黄色のポロシャツを着た男性の訪問を受けました。5月25日発行の本をたずさえた深川勝郎さんでした。読書会での講演をお願いしたものの、お会いしたのは初めてでした。「ふるさと 笑いと涙のエッセイ集」は、2010年、佐賀市金立町に古民家を改修して「竹林清風亭」と名づけて住まい、そこでの出来事をつづられたものでした。10月29日日曜に予定している「読書会」では、課題図書「佐賀駅上りホーム」以降の故郷への思いや友人や自然との関わりなど、深川さんにお話をうかがえたらと願っています。
 6月から7月、点字図書館の玄関には「晴耕雨読」の額を掲げてきましたが、猛暑に向かう折から、皆さまのご健勝を心からお祈り申し上げます。

 


                                

 

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